株式会社なるみ

仙台の夏の祭りと言えば七夕祭りが有名です。子供の頃から、夏になれば毎年のように街に繰り出し見に行きました。当時の思い出と言えば、丸光(旧さくら野)前でバスを降りて中央通り(クリスロード商店街)に向かい手を引かれるがまま街を歩く。仙台駅前の開けた道を左に曲がると急に人ごみに変わり、いつも以上の人波も七夕祭りの特徴です。

人の波にまぎれ、何かと思い顔を見上げれば、色鮮やかな七夕飾りがアーケード一面を埋め尽くす。そこをお構いなしに歩き進み、子供の私でも手に届きそうな色鮮やかな吹き流しを顔いっぱいにあびて、思わず握りしめる。「壊しちゃうから手を放しなさい」と言われながらも、それでも触れたくなる七夕飾りの吹き流し。歩いても歩いても、次から次へと5色の吹き流しが顔面を襲ってくる。

やっと顔をふさぐ吹き流しがなくなったかと思うと、急に歩きが止まり父の手を握りしめると、おもむろに背中に肩車をされた。今までは人ごみの中、誰かの背中と吹き流しだけが見えていた世界が、突然波の上に七夕飾り降ってくるように私の目には見えました。「こんなに大きいのか~」と思うと同時に、左手にはちょっと趣が違うステージが見えてきた。いかにも手造り風の人形がいくつかの紐に繋がれて「カウカク」と動く。当時の流行りのキャラクターが右に左に動き回る。子供だった時は当たり前のように見てはいましたが、なぜか動くたびに歓声が上がる。

今思えば、七夕が動くという事に驚きと感動があり、またその仕組みや仕掛けはそのお店の人たちが自作で作っていたからこその感動だと思います。そもそも、七夕飾りは通りに飾ってあるお店が手作りで作ったものだと知ったのは大人になってからの事でした。

五色に揺れるその吹き流しと真丸の七夕飾り、たしかによく見れば千代紙や折り紙・京花紙で作られています。あの七夕飾りはいったい誰がどうやって作っているのか、今は、縁あって、仙台でずっと紙問屋をしている株式会社なるみの鳴海一夫さんに取材をさせていただく事ができました。

 

七夕飾りはいつごろから作るのですか

「一言でいうと、今では難しい質問だといわれました」子供のころから、七夕飾りをづっと作っていたという鳴海さん、3月にはすでに受注を受けていくつかもう新作を作っているとのお話でした。また、材料だけの販売やくす玉のもとになる竹籠の販売、最近は東京本社の企業が増えて、初めて七夕飾りを用意するため作り方がわからず丸ごと一式をご注文されることもあると教えていただきました。そのタイミングや準備は、常に行っているとのこと、いつから作るというよりも、いつでも制作できるように年中準備をしているといったほうが正しいようです。

七夕の由来や思いとは別に、時代とともに変化していく七夕祭り、しかし、ずっと変わらずその文化を直向きに向き合う人たちがたくさんいらっしゃいます。

仙台七夕祭りの特徴は

「日本古来の長い歴史と仙台市民の繁栄と文化を守る気持ちが仙台七夕をささえています。心をこめて作られた七夕はともに生きる市民のさまざまな思いを感じることができます。」また、「仙台七夕はむやみに派手とか豪華さとかではなく、其々の作り手の思いがこめられています。それは願いでもあり、祈りでもあり七夕飾りそのものよりもその背景に人々のこころが感じられます」と教えていただきました。

七夕の歴史を振り返ってみると、戦前から戦後にかけて一度開催されなかった七夕祭り復活は、2011年の震災復興から今に至る七夕祭りに通じる人の思いと願いを感じさせてくれます。
当たり前にあるお祭りですが、そこには今でも、関わる人々の思いと願いがこめられたお祭りなんだと考えさせてくれました。

 

私とのつながり

鳴海さんとはもう20年来のお付き合いをさせていただいております。その当時、私はIT業界駆け出しのひよっこでした。世間はWIN98の発売で盛り上がり、そのころの仕事で営業先のお客様が鳴海さんでした。はじめは何も知らずに「パソコンとインターネットの重要性」を熱く語りましたが、鳴海さんは仙台の印刷業界でWINパソコンの導入では知らない人がいないというほど知識と経験を持つ方でした。後に弟子入り状態でパソコンのいろはとデザインを学び、今も一番お世話になっている大事な師匠です。現在は紙問屋と併用してNARUMIOASYSTEMとしてPCハードメンテナンスも対応されています。

株式会社なるみのプロフィール

 会社名 株式会社なるみ
 代表者名  代表取締役 鳴海 一夫
 住所 〒984-0002
宮城県仙台市若林区卸町東2-7-18
 電話番号 022-238-2244
FAX番号 022-238-2246
URL http://www.tanabata.info
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srepo

エスレポは、人、街、文化、歴史について、レポーターが感じたまま紹介するwebマガジンです。このサイト管理者でもあり、主観をもとに取材し紹介していきます。 仙台生まれの仙台育ち、仙台を中心に仕事をしています。 人と関わる事で得られた思いや繋がりを紹介していくことで、次の何かに繋げられるよう記事として残していきます。

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